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2016/03/13

3.11東北紀行

窓から見えるビルもゆっくりゆっくりと左右に揺れ動いている

自分も船に揺られているようだ

 

ガラケーのワンセグにSF映画のような光景が映し出される

それは現実なのか夢なのか俄かにはわからない

 

明日になれば大丈夫

根拠のない思いを抱いたまま歩く電車の止まった都会の路

そこかしこに人が溢れ、まるでお祭りの夜

都内のコンビニの棚はほとんど空っぽ

 

隅田川を渡り、荒川を越えるとやがて人の波が疎らに

ほどなくして土日の競馬開催の取り止めの報を受ける

フィリーズレビューにジュエルオブナイルが出走を予定していた

 

中川、江戸川を渡れば千葉県に到達

しばらく歩くと行きつけのラーメン屋の明かり

空腹に染み渡るラーメンにほっと心が温まる

家まではもう少し

 

凡そ5時間半の道のり果て

辿り着いたエレベータが止まり、ところどころ亀裂が生じたマンション

本やCDが辺り一面に散乱する部屋

 

 

あの日から5年

会社の新年会の席で今年は東北で迎えると宣言

曜日もあの時と同じだ

 

気仙沼泊だけを決めて東北沿岸部を気ままに

日付が3月11日に変わると同時に出発

 

ナビに従い最初の訪問の地へ向かう

北陸道から磐越を通り福島へ

 

磐越を下りると車は段々と山中へ

ひっそりと音もなく、生活の匂いもしない

何やら不気味な哀しみさえ感じる

白っぽく粉雪なのか埃なのかに薄く覆われた田畑

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閉ざされたままの町

 

来た道を引き返し迂回を試みるも

左手には大熊町への侵入を阻むゲートが続く

その中の1つにはおそらく一時帰宅のための車の列が

言葉にできない思いを抱えたままやがて常磐道へ

道路脇に放射線量を表示する電光掲示板

 

第1の目的地に辿り着いたのはすっかりと夜も明けた頃

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あの日出発するはずだったスーパーひたち

震災で線路を閉ざされ5年の風雪にさらされたまま

やがて解体される運命を知ってかその姿はどこか寂しそう

 

 

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ここには直接の被害こそなかったものの陸の孤島に

サラブレッドとともにスタッフは関東近郊の牧場に疎開

 

ちょうど今、愛馬3頭が同時に滞在

昨年に引きつづいての訪問となった

 

先月北海道で会ってきたばかりの

ジュエルオブナイルの2014改めゴールドケープ 牝2
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すっかりと冬毛も抜けピカピカの体に

夏頃のデビューに期待ができそうです

 

ヘルツフロイント 牡5
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もどかしい競馬がつづき只今リフレッシュ中

 

リスヴェリアート 牡5
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我が厩舎障害初勝利かと思われた1番人気の前走後

連戦の疲れを癒すために休養

すっかりがれていた馬体もだいぶふっくらと

そうこうしている間に障害戦初勝利はアロヒラニの背に

年末は2頭で中山大障害と目論んでいます

 

 

愛馬たちの活躍に思いを馳せながら常磐道を北へ

やがて右手にキラキラと輝く太平洋を望みながら

そこに見える海は穏やかで

とてもとてもあの日人々を襲ったなどとは思うことができない

 

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生まれ変わった女川の町

TBCをはじめとした放送車と放送クルーの皆さん

あの時間に行われる追悼集会への参列者

観光で訪れた人々の賑わい

 

正月にウインドウの外から眺めたダンボルギーニ
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バックショットもカッコいい

 

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地区の医療センターに掲げられた横断幕

 

お昼はここにある「復興食堂 さんさん亭」でいただきました
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五目あんかけラーメンランチ(ミニカレー)1180円

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この先はリアス式海岸沿いを走る

青い空煌めく海はずっと美しい

 

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この日の海は間近に望むと何か引き込まれそうな響き

波間から何かが聞こえてくるような気配がして

長い時間そこに留まることができなかった

 

その時を気にしながらやがて志津川湾を前に車を停める

静かな海

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やはり5年前の出来事が信じられないでいた

 

 

14:46

志津川の町からサイレンが青い空に碧い海に響き渡る

そっと瞼を閉じて

お亡くなりになった方々のご冥福を祈り

この震災に思いを巡らせ涙が零れる

この日のサイレンの音はいつ果てるともなくつづくようだった

 

防災庁舎の周囲に多くの車が停められ

献花台の前には黒い衣装の大勢の人々の姿

それを横目にそっと通り過ぎる

 

 

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この日は気温こそ低いもののとても穏やかで

空は青く、海は広くどこまでのつづいていた

 

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龍の松の向うに天使の梯子が降りる

慰霊の時を終えて魂が天に戻っていくのだろうか

 

気仙沼の夜空に祈りの光が走る

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復興屋台村も今年の10月でその幕を閉じる

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6回目の朝

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ところどころに新しい集合住宅が立ち上がっている

まだまだ多くの茶色地面が残っている

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桜はまだ硬い蕾

 

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行きも帰りも寄ったのにGANBAAREの写真がない

 

昨日立ち寄れなかった場所

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最後まで町民を守り続けた魂と失われた命にそっと手を合わせる

 

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春は必ずやってくる

 

 

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あの日一番最初に見たのが変わり果てたこの場所だった

 

 

 

震災はつづいている

復興はまだ始まったばかり

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